対談:M&Aの現場から見える、法務の本質とプロフェッショナリズム

M&A(企業の合併・買収)は、企業の成長戦略や再編の要として、ますます注目を集めています。今回は、数多くのM&A案件を手がけている代表パートナー弁護士・柳田一宏と、実務の最前線で活躍するパートナー弁護士・滝充人が、案件の舞台裏や、当事務所の強み、そしてM&Aの魅力について語り合いました。

多様化するM&A案件と、
変化するニーズ

柳田:最近のM&A案件の傾向として、やはり「多様化」がキーワードになっているように思います。

滝: 本当にそう思います。以前は上場企業同士の大型統合や大企業が中小の企業を買収するといった案件が中心でしたが、今ではスタートアップの資金調達や事業承継、MBO(マネジメント・バイアウト)など、案件の種類も規模も非常に幅広くなっています。

柳田: 業種も多岐にわたっています。メーカーや金融機関、航空会社、医療機器メーカーといった伝統的な業界に加えて、最近ではAI関連企業やブロックチェーン技術を活用したCBDC(中央銀行デジタル通貨)開発企業への出資案件、さらには学校法人やマーケティング会社まで。まさに「業界を問わず」という表現がぴったりです。

滝: 海外案件も増えています。米国、欧州、アジアの法律事務所と連携しながら、中国の製薬会社、米国の医療機器メーカー、シンガポールのスタートアップ企業とのM&Aなど、クロスボーダーの案件も日常的になってきました。

「先回りして対応する」「かゆいところに手が届く」法務サービスとは

柳田: 当事務所のサービスの特徴として、私は「先回りして対応する」こと、そして「かゆいところに手が届く」ことを常に意識しています。単に依頼されたことを受け身でこなすのではなく、クライアントが気づいていないリスクや課題を先回りして指摘する。これは、我々の文化でもあります。

滝: 例えば、法務DD(デューデリジェンス)で見つけたリスクについても、単に「リスクがあります」と伝えるだけではなく、「このように対応すればリスクを最小化できます」といった具体的な提案をするようにしています。クライアントの立場に立って、単なる法的助言にとどまらず、実務的な観点からもアドバイスすることが重要だと考えています。

柳田: リスクを羅列して「判断はクライアントに委ねます」というスタンスの法律事務所もあると聞きますが、我々は違います。あらゆる角度からリスクを検討し、そのクライアントにとって最適な選択肢を提示する。そこにプロフェッショナリズムがあると思っています。

M&Aの醍醐味と、弁護士としてのやりがい

滝: M&Aの魅力は、やはり案件ごとにまったく異なるストーリーがあることですね。法務DDでは、会社法、労働法、知的財産法等の基本的な法律から業界独特のものなど様々な法令を取り扱いますし、案件を進めるためには企業結合規制や外為法など、幅広い法令知識が求められます。また、契約交渉では相手方との駆け引きが醍醐味です。

柳田: 交渉の現場は本当にエキサイティングです。ときには早朝、深夜、休日も使って交渉を重ねることもありますが、その分、契約がまとまったときの達成感は格別です。

滝: 交渉相手はM&Aの相手方企業だけではありません。表明保証保険を使う場合は保険会社、ローン契約が絡む場合は金融機関との交渉も必要です。さらに、PMI(Post Merger Integration)を見据えて、買収後の統合プロセスまで視野に入れたアドバイスが求められることもあります。

柳田: そうした複雑な案件を乗り越えるには、チームとしての連携も不可欠です。滝先生をはじめ、当事務所の弁護士たちは、専門性と実務力を兼ね備えたプロフェッショナルばかり。まさに当事務所のチームとしての強みが十分に発揮されていると感じています。

クライアントと共に未来を創る

滝: M&Aは単なる「取引」ではなく、クライアントの未来を左右する重要な意思決定です。そのサポートをする責任の重さを感じつつ、やりがいも大きい分野だと思います。

柳田: おかげさまで、日経新聞のM&A分野における企業が選ぶランキングでも上位に選ばれました。これは、当事務所の姿勢や実績が評価された結果だと受け止めています。

滝: 今後も、クライアントの期待を超えるサービスを提供し続けたいですね。法務の枠を超えて、ビジネスの成功に貢献できる存在でありたいと思います。

柳田: そのためにも、変化を恐れず、常に学び続ける姿勢を大切にしていきましょう。